サインの無いQSLカードは無効だ!という話をたまに聞きます。そういう情報を発信しているWEBページも存在します。私もアマチュア無線の解説本でそんな記事を読んだことがあり、ずっとそれを信じていました。
わたしの友人などはこの情報を得て、サインのないQSLを発行した人に強気の姿勢で、「このカードは無効です! 有効なカードを再発行してください!」とつき返して相手と大喧嘩になりました。
この「無効だ」を書いている方の記事を見ると概ね以下の2種類です。
1.サインのないカードは代表的なアワードなどに使えないと信じて疑っていない方。これは単なる勘違いです。
2.「無効」の意味が不明なもの。無効とか有効というのは「何に対して」という対象がなければ成り立たない話のはずですが、それがない。そうなるとこれは「無効だ」ではなく「俺は嫌い」、「この俺様は認めない」という基準が俺様な場合か、「作法にかなってない」という意見ということになります。
お作法として「サインしたほうがいいですよ」、というのなら私も賛成です。
ちなみに代表的なアワードについての有効性は次の通りです。
1.JCCをはじめ、JARL発行のアワードにはサインのないQSLカードは使用できる。
このことはJARLのアワード委員会のQ&Aを見るとわかります。
2.DXCCをはじめ、ARRL発行のアワードにはサインのないQSLカードは使用できる。
私はかつてDXCCの申請準備中にサインのないカードを発見し、念のためにARRLのアワードマネージャーであるNC1Lにそのことをメールで質問したことがあります。彼の回答はやはり「サインは不要」とのことでした。返答の原文は下にご紹介しておきます。DXCCをなんども申請している友人には「サインがなくてもパスしてる」とは聞いていたものの、一応確認してみた次第です。
使えないと思っていたカードが、使えるかも知れませんね!
これら有名アワードに使えるので有効です、と言ったところ、無効を主張する方がこんな反論をしてきました。
「有名アワードに使えるからと言って有効とは限らない」
これは会話にならないと思って更なる反論はしませんでした。
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Hi Mr Kuramochi:
Signature is not required on QSL cards
73
Bill Moore NC1L
Awards Branch Manager
ARRL - The national association for Amateur Radio
225 Main Street
Newington, CT 06111
Telephone: (860) 594 0234
Fax: (860) 594-0346
email: dxcc@arrl.org
DXCC Web Site: www.arrl.org/awards/dxccBlog: http://www.arrl.org/blog/DXCC%20Dialog
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要件だけの短い返事でしたが、簡潔に「QSLに署名は求めていない」と回答しています。