「50MHzは不文律が多いしそのことについて口うるさくて嫌だ」という趣旨の話をSNSで見て、「自分はなぜそう思わなかったんだろう」と考えてみた。たぶん、開局当時の入門バンドは50MHzだったからだろう。初めてのバンドが50MHzだと、そこで先輩たちが教えてくれるマナーがアマチュア無線のマナーだと思っていたから、入門者としてはなんの抵抗もななかったのだろうと思う。ところが、144MHz、430MHzで入門した人はそこでの常識がアマチュア無線の常識だと思っているので、そことは違うマナーが存在する50MHzに来たら困惑するのはおかしくない。
ただ気を付けなくてはいけないのは、50MHzは確かに最もマナーに厳しいバンドかも知れないけれど、50MHzで「マナー違反」だと言わることを他のバンドでしていれば、他のバンドでもそう思われている可能性も大きいということだ。他のバンドではそんなに口うるさく言わないだけで、腹の中ではそう思っている人もいるので、50MHzでマナー違反だといわれるようなことを他のバンドでもやらなければスマートな運用だと評価される傾向はあると思う。
50MHzは国で例えればマナーにうるさい日本のようなもの。ごみのポイ捨ても路上で車座になって酒を飲むのもマナー違反。列に並ぶのは当然で横入りもだめ。「俺の国ではそんなの当たり前なのにうるせー国だな」と言われても、ここは日本なのでやめてくださいと言われるし、「うるさい国だから俺はイヤだ」といえば喜んで「そうでしょう。お国にお帰りください」と言われてしまうのである。
最後に、そのSNSの投稿主が言われたマナー違反はそもそもアマチュア無線界で一般的にマナー違反ではないことで、一部のマニアだけがマナーだと言ってる妙なものだった可能性もある。この話はSNS投稿をきっかけにして書いたまでで、その方のケースを対象に書いたものではないことを書き添えておきます。